大多数の人たちは、歴史的に見て最も人間関係が希薄な時代に生きています。かつてはあうんの呼吸で、ほんのつまらない、でもきらりと光るものを毎日のように、ご近所お知り合い同士でタイミングよくやり取りして親交を深めていたのです。いや、深めていたと記録されています。それはたぶん、大多数の人たちが昭和と呼ばれた時代の、それも極初期に置き忘れてきた心です。その時代の方は、もうほとんどご存命ではありません。
でも、プレゼントというのは、その頃のやり取りの名残。要は、十分に気を配って最適なプレゼントを選んだ、でも、それが最も効果を生む渡し方が、成功への最後の関門なのです。相手にすっかり予告してしまう、忙しいときにわざわざ押し付ける、他の人が渡した直後にすかさず渡す……これらが不適切であることは、皆さん十分にご存知です。でも、実はもっとも大切なことは、渡す側のこちらも楽しくなれる瞬間を見つけることなのです。
『サプライズ』はちょっと前の流行語ですね。誕生日を、仲間で打ち合わせて凝ったやり方で一気に盛り上げる方法がいくつもあるのですが、一対一でプレゼントを渡す程度だと、ドカンと驚かすシナリオは難しい。でも「傷んでいるみたいだから使って」と朝会ったときに書類鞄を、「明日から使ってみて」と昼食時にランチケースを、「夜でも聴いてみて」と退勤時にCDアルバムを。そうやって、相手が渡されたい気分のときにぱっとお渡しする、これも一つのサプライズなわけです。
プレゼントから受けるイメージは、こちらが渡したときに抱く気持ちと一致するものです。ぜひ、型にはまった商品やそっけない渡し方ではなく、購入からお渡しする瞬間までよーく考え抜いたやりかたで、個人個人の大切な記念日をお祝いして差し上げましょう

